里芋の痛みが多くて困っています。写真のように、芋の上下(写真では左右)から茶色の筋か入っています。低い気温が原因しています。見た目で非常にわかりにくく、選別をしっかりしても商品に紛れ込み、腐敗などのクレームとなるため厄介です。
堀始めたのは紀州芋という品種です。熱帯性の里芋は耐寒性が低いものですが、紀州芋は比較的寒さに強く、籾殻で厚く覆ってやれば当園のような準高冷地でも問題なく越冬できます。紀州芋は栽培に一年以上かかるものかの、2、3月の品薄時期に有利に取引ができます。
紀州(和歌山)なのに寒さに強いとはこれいかに。紀州芋は別名えぐ芋と呼ばれ、他の品種なら10月には掘ることができても、この芋は2月中旬以降でないとエグ味が強くて食べられません(喉や舌がイガイガして)。このエグ味の原因は里芋に含まれる針状物質で、含有量には品種間差があり紀州芋にはとくに多く含まれるのでしょう。針状物質は、一定期間の低温で減少あるいは消失するのかもしれません。
そして、このエグ味が紀州芋に耐寒性を与えているのではないかと推測してます。
ところが、今年は腐りが多く、なんと40%近く出荷できなさそうです。この冬の寒さの程度が、紀州芋の耐寒性を越えていたのでしょう。次作以降は、標高の低い畑に作付する必要がありそうです。
収穫後の芋は畑に捨てるしかありません。作柄がよかっただけに、とても悔しいです。しかし、寒さが厳しいとわかれば籾殻をさらに厚くするとか、マルチで何重にも覆うとかできることがあったのではないかと。所詮は甘くみたなということです。また勉強になりました。